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母はどんな人生だったのか。








母は5人兄弟の4番目に産まれた。
兄2人と姉が居る。
父親は小学生の時に亡くなった。
小さい頃はあまのじゃくな性格だったらしい。
お出かけの時に、自分は誰かの用事にいつも付いていかされる、おまけのような存在と感じていたらしく、
出掛けるよ、と言われても、行かない!と言っていたそうだ。
きっと、自分がメインのお出かけをしたくて
自分がいきたい場所に、行きたかったのかな。
兄弟が多くて、裕福でもないから、洋服もお下がり、欲しいものも満足に買ってもらえない日常があって、満たされない気持ちがあったのかも。
自分っていう存在はちっぽけで、大切にはされてない、と感じていたのかもしれない。
父が亡くなってから、
兄と姉が、働き頭になった。
家族を養うために働き始めた。
長屋に住み、経済は大変だったそうだ。
給食費を払えないから、
お昼ごはんはおうちに食べに帰って行ってたらしい。
これはちょっと切ない。
きっと皆と一緒に給食を食べたかったよね。
中学を出たら進学せず、
和裁の仕事についた。
それから、母の兄の友人である、父と出会い、結婚した。
当時は父も貧乏で、逆に母は父より経済的に豊かだったそうだ。
百貨店と契約して、着物を縫う仕事をしていた。
結婚の時の費用とか、家具とかは母のお金から出したと聞いたと思う。
素敵な話だと思うし、そんな母は格好いいし誇らしいと思う。
私が小さい頃、家で和裁の仕事をしていたので、松坂屋まで一緒に付いていったのを覚えている。
私が産まれた頃に、家を購入した。
長屋と団地に住んでた両親にとっては、夢のマイホームだった。
だけど。小さくて古い実家を私はあまり好きではなかったけど、
両親にとっては、大切な大切な家だ。
母は、子供を3人産んで育てた。
父は真面目で優しく、子煩悩。
幸せな結婚生活だったと思う。
父を選んだ、女性としての選択は正解だったと思う。
幸せそうな母なのに。
私は母が嫌いだった。
母はヒステリーなところがあったし、
怒るし、叩くし、めっちゃくちゃ怖い存在だった。
毎日のように怒られていたし、お尻を叩かれたり、家から出されたりした。
怒られた理由なんて全く覚えていなくて、私の中には恐怖と母への恨みが残っただけだ。
私は母からの愛情に餓えていたと思う。
そんな記憶しかないし、抱き締められたり、愛してるとか大好きだとか大事だよ、なんて言われたことはない。
知り合いの前でけなされて、悔しい思いをした記憶しかない。
大人になっても、私以外の誰かを母が誉めていると、とても悲しくなった。
母は私を誉めてくれない。
私の前で誰かを誉めて、わざと私を貶しているような、泣きたい気持ちになったこともある。
母は私が可愛くなかったのかもしれない。
そう信じて生きてきてしまった。
小学6年くらいから、
私は、両親から心を閉ざすようになってしまった。
話さない。出来るだけ笑わない。
私の人生に口出しをしないでほしいっていう意思表示だった。
私に干渉して、私を傷つけないで欲しい。
私はそうやって自分を守った。
孤独で寂しかった。
母はそんな私に悩んだだろうか。
そのあたりから母の人生を想像しようとしても、記憶が曖昧になる。
中学の時に進学塾をやめたいと言って、母に訴え。
パートから帰ってくる母の自転車姿を睨んで無視した記憶がある。
母はなにも言わず、塾をやめさせてくれて、私に合う個人塾を見つけてきてくれた。
母は不器用なだけで、きっと私を愛してくれていた。
我が儘をきいてくれた。
話さない私をそっとしてくれた。
私はそれからずっとずっと、大人になっても、今でも、拗ねている。
母の愛を疑っている。
離婚したときに、実家に帰りたくない私は、ひとりで生活すると決めた。
働き始めた私のせいで、子供たちが寂しくないよう、困らないよう、
両親は私の近くに引っ越しをしてきてくれた。
これまでの人生で、親のせいで困ったり苦労させられたことはないし、いつも助けてくれた。
私は愛されてきた。両親に。母に。
小さい頃の嫌な記憶をずっと手放さずに、心の中でたくさん母を責めてきた。
裏を返すと、それだけ母に執着し、愛されたいと望んでいた。
その愛情が手に入らないという思い込みに苦しんできた。
母には母の考えがある。
母なりの愛しかたがあって、人生がある。
幼い頃に父を亡くした寂しさ、母の稼ぎだけでは食べていけないからと兄弟で結束して生きてきた人生があり、
手に入らないものがあったり、悔しい思いもたくさんして、大人になった。
そして私たちを産み育てながら、子育てにも悩み、間違った接し方をしてしまったこともある。
そんな普通の人生を精一杯生きてきたのが母だ。
私は私の寂しさを母のせいにしてきた。
甘えたいときに甘えることが出来なかった。
というよりは、出来るのに私がずっと拗ねていた。
大変だよ、つらいよ、たすけてお母さん。
うまくいかないよ。
って言ったら、
大丈夫って抱き締めて欲しい。頭を撫でてくれたら、また頑張れる。
私が欲しいものはそれだけだ。
それさえあれば、人生にどんな困難が来ても乗り越えられる。
おかあさん。
失恋したらいつもお母さんに会いたくなる。
私は恋人に母の愛を求めてしまっていた。
無意識だけど、母から欲しかった愛を求めてしまう。
愛してほしい。わかってほしい。
だけど男女の愛は形が違うから、それでは成立しない。
わかってる。なのにまたやってしまう。
母を、理解したい。
理解して受け入れたい。
そして許したい。
小さい頃の母の寂しさと、小さい頃の私の寂しさを、一緒に抱き締めてあげることにする。
年齢だけ大人になった私が、温めて溶かしてあげるよ。
お母さんありがとう。
お母さんが大好きだよ。








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